
山形産の「うるい」。
「うるい」は今や売れっ子の山菜である。
和食、洋食、中華などジャンルを問わず御注文をいただく。
「うるい」を見ると思い出す光景がある。
数年前、奮発して高級な和食店でお昼を食べた時のこと。
低いカウンター越しに板前さんの手元が見える店で、お客は2組だけ。
おまかせで料理を出してもらって、あらかた食べ終えた頃、
カウンターの中では、夜の仕込みが始まっているようだった。
左端では若い板前さんが、酢味噌か何かだろうか大きなすり鉢であたっては、
兄貴分の板さんに味を見てもらっている。
右奥のガス台には使い込まれた大鍋がのせられ、年配の板さんが仕事をしている。
皆静かに仕事をしていて、とても感じがいい。
そのうち、盆ざると袋に入った「うるい」を持った板前さんが現れた。
「うるい」を全部袋から出し、1本ずつはがしながら、長さごとに仕分けしている。
仕分けが終ると、根元をクルクルっと糸で縛り、盆ざるに載せて奥に消えた。
な~るほどねぇ、こうしておけば湯がく時に均一に火が通るし、次の仕事がしやすい。
さすが、プロは違うなぁ、と感心した。
おいしい昼食と、それを供する人たちの丁寧な仕事ぶりに満足して気持ちよく店を出た。
(和泉)