厳選良品ほまれNEWS NEWSで食の今を知る。話題の食材情報満載!

ゆば画像

vol.5 ゆば

「宮城野ゆば本舗」

ゆば画像1

 「湯葉」の歴史は古く、1200年以上も前に中国から仏教などと一緒に伝来したとされています。大豆食品ということがあって、修行僧の精進料理の材料として重宝され、食されてきました。京都や日光といった門前町が「湯葉」産地として有名なのも、この辺りに関係することなのでしょう。                                                        江戸時代に入ると、栄養価が高い食品だと知れ渡り精進料理に使われるだけでは無く、一般的な食材として親しまれていたようです。現在では大豆のタンパク質・脂肪が多く含まれた栄養食品として、炊き合わせ、蒸しもの、揚げ物などの料理に用いられるようになり、精進料理・懐石などの和食だけでなく、洋食にも取り入れられて幅広く利用されています。
 今回の「湯葉」を特集するにあたり、お邪魔させて頂いたのは、仙台市泉区に店舗を構える「宮城野ゆば本舗」さんです。こちらで「田中千尋」さんにお話をお伺いしました。一般的には乾燥湯葉しかなかった頃、先代が京都の老舗の有名湯葉屋さんに出向き修行を重ね、そこからご家族で湯葉つくり一筋に励んでこられ今年で21年目を迎えるそうです。湯葉の原料は大豆だけと、とてもシンプルですが、この原料を選別する目利きが最終的に味を左右するといっても過言では無いでしょう。                                             こちらではたんぱく質が多く、旨みのバランスが良いということから、「ミヤギシロメ」を使っているそうです。また、この大豆を使うと他の大豆に比べ白色に仕上がるとの事でした。「常に大豆に思いを向けてつくっています。なぜなら、ゆばつくりというのは大豆が形をかえて人々の口に入るまでの一つの受け持ちにしか過ぎませんから。」と、話してくれた言葉にもこだわりを感じました。
 

さしみゆば

ゆば画像2

 口に入れると一枚一枚の膜がキチンと感じられます。でも、その膜の歯触りは心地よくあくまでも舌触りは滑らかで、少しも野暮ったさを感じません。繊細という言葉がぴったりとくるその幾重にも重なった膜をかみ締めていると、徐々に口の中には旨みが押し寄せてきます。生醤油ではなく、出汁醤油を使うとこの繊細な味わいが一層引き立つようでした。口の中の歯や舌全ての感覚で、繊細という意味を改めて感じて味わうことの出来るまさに逸品でした。

つまみゆば(どろゆば)

ゆば画像3

 湯葉の膜の張りはじめをつまみあげたものです。スプーンで口に入れると、トロっとした感触の中の濃厚なコクに驚かされ、濃縮した大豆の旨みが口いっぱいに広がります。大豆のもつ脂っこさ、乾燥させる前の青々しさが、「生ゆばさしみ」と同じように繊細な舌触りの中に感じることが出来ます。そして、後味は決して重くは無く何度でも口に運びたくなる味わいでした。
 
 先にも書いたように、現在は様々な料理法で湯葉を食べることが出来ます。でも、ここのゆばは先ずは生のまま召し上がって見てください。そうすれば、今までの湯葉とは一味も二味も違う、その繊細で風味豊かな味わいが十分と楽しめることでしょう。
 

ページTOPへ

業務用食材専門 ほまれフーズ HOME旬の野菜・果物・新商品厳選良品レポート宮城の食材紹介過去のブログ会社概要お問い合わせ