vol.18 桜井農園
桜井農園
会話が一旦途切れる位の轟音でジェット機が離陸していきます。
桜井さんの新しいビニールハウスは、名取市の仙台空港滑走路のすぐ傍にありました。
代表の桜井勉さんは、空港より海側にある北釜地区で作付面積2,000坪のハウスを保有しアイスプラント等を中心に出荷していました。
しかし、東日本大震災による津波で家屋は浸水、ハウスや農業機械などは全て流され、農地は海水につかり塩害となります。
再興に向けて
それでも、農業歴３８年、自分にできるのは農業しかないと復興に向けて歩みます。
塩害除去に取り組みつつ、別の土地で路地栽培から始め、小規模ですがハウスも再建しました。
現在はサニーレタスやグリーンカール、ロメインレタス等を中心に栽培し、夏頃にはジャンボ獅子唐や白長茄子、中玉トマト等が収穫予定です。
震災前に比べ、とても少ない面積ですが、その分、手間をかけて農薬をできる限り使わないようにして育てています。
珍しい野菜
「まあ食っていげればいんだ」と話す桜井さんの作る野菜は、人柄を表しているようで、やわらかい食感ですが、香りと味はしっかりと感じられます。
震災から３年経った今も仮設住宅の暮らしに、苦労は多いですが今後は、あまり栽培経験がない変わった野菜の品目を増やしていきたいそうです。
